高気密高断熱住宅とダニ・カビの関係


高気密高断熱を好むワケ

1.気密性が高い=湿気が逃げにくい
高気密住宅では、外気の出入りを極力抑えるため、室内の湿気が外に逃げにくくなっています。これにより、次のような現象が起きやすくなります。
- 家の中で発生した水蒸気(呼吸、調理、入浴など)が滞留しやすい
- 湿度が高い状態が続くことで、カビの胞子やダニの繁殖環境が整う
2.断熱性が高い=温度差が少ないが「結露リスク」がゼロではない
断熱がしっかりしていると、室温は快適に保たれますが、すき間や冷たい外壁側で結露が起きることがあります。
- 壁の内部や窓周辺の「見えない場所」で結露→カビの発生につながる
- 壁内の断熱材や下地にカビが広がると、見えないうちに構造材が劣化します
3.ダニの好む環境が整いやすい
ダニは温度20〜30℃、湿度60%以上で活発に繁殖します。高気密高断熱住宅は快適温度を保ちやすいため、ダニには快適な環境が整います。
- 布団、カーペット、ソファなどにダニが急増
- ダニの死骸やフンがハウスダストになりアレルギーや喘息の原因になる
対策のポイント

1.計画換気の徹底
- 24時間換気システムを正しく運用する(止めない、フィルター清掃を定期的に)
- 換気扇使用
2.湿度管理が鍵
- 室内湿度は**40〜60%**に保つのが理想
- 冬は加湿しすぎない、夏は除湿機やエアコンで除湿
3.家具の裏、押入れ、床下も注意
- 空気の通りが悪い場所はカビの温床になりやすい
- 家具は壁から数cm離して配置、押入れには除湿剤を
4.自然素材の活用も有効
- 調湿性のある天然素材のフローリングや漆喰の壁は、調湿性に優れているので、余分な湿気を吸収・放出してくれる
- 自然素材の断熱材(セルロースファイバーなど)も調湿・透湿効果が良いのでカビの抑制効果が高い

1.化学物質のリスクを低減
ビニールクロスや合板などの工業製品には、ホルムアルデヒドなどの有害な化学物質が含まれていることがあります。これらはシックハウス症候群の原因になります。自然素材(無垢材、漆喰、和紙など)は、化学物質の放散が少なく、空気が清潔に保たれます。
2.湿度調整効果でダニ・カビの発生を抑制
漆喰や無垢の木材には、調湿作用があり、室内の湿度を自然に整えてくれます。カビやダニの発生を抑え、アレルギーや喘息などの予防につながります。
3.自律神経が整いやすい空間
自然素材が持つ香り(フィトンチッドなど)や肌ざわりは、脳や神経にやさしく働きかけます。リラックス効果があり、ストレスを減らし、自律神経のバランスを整える手助けになります。
4.静電気が起きにくく、ホコリが舞いにくい
自然素材は静電気を帯びにくいため、空気中のホコリや花粉が舞いにくくなります。ハウスダストによる健康被害を軽減できます。
5.時間が経つほど「味」になる、経年美化
自然素材は使い込むほど味わいが増し、表面が傷んでも健康に害はありません。劣化による健康リスクが少なく、安心して長く暮らせます。
住まいは、家族の健康を守る場所。
